父親としてシンジを想うゲンドウの姿
こんにちは、塩ラーメンです。
今回は、エヴァンゲリオン劇場版:破をゲンドウの視点から見ていきたいと思います。
◎ 視点を変えるということ
エヴァンゲリオンという作品は、視点を変えることで全く違った側面が見えてきます。
ゲンドウもそのことを劇中で言っており、
「カオスは人の印象に過ぎない。世界は全て調和と秩序で成り立っている。」
と説明します。
人の心、物の見方で世界の印象は変わるということですね。
その具体例に、赤い海があります。
シンジは、
“なんだか生臭い変な匂いがするもの”
加持は、
“海の生物が生きていた証”
ミサトは、
“父親を殺したセカンドインパクトの象徴”
として赤い海を捉えています。
『物の見方で印象が変わる』ということで、今回はゲンドウという新たな視点から物語を見ていきたいと思います。
◎ ゲンドウの視点
前回の記事 では、ゼーレとゲンドウの攻防について書きました。
ゼーレは、ゲンドウが仮設5号機を勝手に潰したことへの報復として3号機(と使徒)をNERVに送り付けた。
と説明しましたが、実はその3号機との戦いにゲンドウの父親らしさを見ることが出来ます。
・食事会
まずゲンドウはゼーレから送られてくる3号機に使徒が入っていると知りません。
それは、3号機の起動実験の日に食事会へ行こうとしていたことから分かります。
・3号機との戦い
食事会へ向かう車の中で3号機の暴走を知らされたゲンドウは急いで引き返します。
もちろんエヴァを出撃させ応戦しようとしますが、ここで “バチカン条約” が厄介になってきます。
3号機が来たことにより2号機は封印されました。
そして零号機は修理の予算が降りなかったのでボロボロのままです。
つまり、どう頑張っても初号機しか出せない状態にあったのです。
※ここがテレビ版と違うところです。
テレビ版では3号機(バルディエル)に対して零号機・初号機・弐号機を出して応戦します。
使徒を送り付るというゼーレの大胆な一手に対して、ゲンドウは初号機を出撃させるしかありませんでしたが、
ゲンドウはシンジに戦う意思が無いことをしっかり確認してから、ダミープラグに切り替えさせました。
つまり、シンジの手で殺させないために “子どもに操縦させるよりは人道的” なダミープラグを使い、3号機(第9の使徒)を殲滅したのです。
「:破」は、シンジにエヴァに乗って欲しいという人達のもとで物語が展開していくため、シンジではなくダミープラグによって使徒を殲滅したゲンドウが悪者に見えますが、
実はシンジを守るためのダミープラグだったのではないか。
ということです。
新劇場版のダミープラグはテレビ版のものと違い、シンジは何が起こっているか見えないようになっています。
↑ R-15指定で前が見えないシンジ
これはシンジを守るための措置だと考えられますね。
ゲンドウはシンジを使わないと計画を進められないため、勿論シンジを利用している部分もありますが、シンジを守りながら計画を進めているのだと思われます。
◎ ゲンドウの教育
3号機との戦いの後、NERVを去ろうとしているシンジにゲンドウはこう言います。
「また逃げ出すのか?自分の願望はあらゆる犠牲を払い、自分の力で実現させるものだ。他人から与えられるものではない。シンジ、大人になれ。」
※これはテレビ版には無い台詞。
これはゲンドウの哲学であり、父親としてシンジに教えていることです。
ゲンドウなりの教育なのではないでしょうか。
◎ まとめ
これらのことを踏まえると、新劇場版のゲンドウはより父親らしくて、シンジのことを想っているのだと分かります。
『自分の願望はあらゆる犠牲を払い、自分の力で実現させるものだ。』
という言葉を受けてシンジは、
「僕がどうなったっていい。世界がどうなったっていい。だけど綾波は…せめて綾波だけは、絶対助ける!」
と言ったのかもしれませんね。
さて、今回の記事は前回に引き続きおまけの夜さんの動画を参考にさせて頂きました。
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画像引用:©khara/Project Eva.
©カラー/EVA制作委員会
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2021.03.03 00:30