ゲンドウとカヲルは何故 “似ている” のか。|作品のテーマを読み解く






ゲンドウとカヲルは何故 “似ている” のか。

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今回は、カヲルがゲンドウのクローンではないかと言われていることについて、またゲンドウとカヲルは何故似ているのかについて書いていきたいと思います。

よろしくお願いします!



◎ ゲンドウとカヲルの共通点

『カヲルはゲンドウのクローンである』という説は、一部のファンの間で支持を得ています。
しかしその説は有り得るのでしょうか?

劇中では、シンジのセリフに

「カヲル君は父さんと似ているんだ。」

とあるため、ゲンドウとカヲルには共通する部分があることは確かです。


とりあえず、彼らの似ている点を挙げてみましょう。

・ピアノを弾く
・知識が豊富
・NERVの司令をしている
・第13号機に搭乗
・座り方が同じ
・ゲンドウはユイ、カヲルはレイと結ばれる


これらの “似ている点” を根拠として『カヲルはゲンドウのクローン説』が立ち上がったのだと思いますが、私は

単に象徴的な意味でゲンドウとカヲルを重ねて描き、テーマ性を持たせているだけ

だと考えています。

直接的に、カヲルがゲンドウのクローンであるという描写は無いので、この説は根拠に欠けるでしょう。

また先ほど挙げた2人の共通点は、それがあるから2人が似ているということではなく、むしろその逆、

本質的な部分が同じだから様々な共通点が生まれる

のだと考えています。

では、ゲンドウとカヲルの本質も見ていきましょう。





◎ ゲンドウとカヲルの本質


・シンジの幸せを勘違いしていた

ゲンドウ:関わらないことがシンジのためになると思っていた。
「すまなかった。シンジ」

カヲル:自分が幸せになるためにシンジを幸せにしようとしていた。
また、そもそもシンジの幸せをエヴァのある世界の中で考えていた。
「すまない、僕は君の幸せを誤解していた」


・絶望していた

ゲンドウ:ユイを失ったことでこの世界に、また人間関係にも絶望していた。

カヲル:円環の物語の中で演じることを永遠に繰り返さなければならない、ということに絶望していた。




…という本質的・根本的な部分が同じであったため、
・ピアノを弾く
・知識が豊富
・NERVの司令をしている
・第13号機に搭乗
・座り方が同じ
・ゲンドウはユイ、カヲルはレイと結ばれる
結果として、こうした(↑)表面にも表れたのではないでしょうか?





◎ おわりに

最後にもうひとつだけ言うとすると…
ゲンドウとカヲルが重ねて描かれたことで、シンジはレイから母性を、カヲルから父性を感じていたのではないか

と考えることも可能ですね。


さて、今回はここまでにしたいと思います。
いかがでしたか?ぜひ皆さんの解釈もお聞かせ下さい!


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画像引用:
©khara/Project Eva. 
©カラー/EVA制作委員会

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