今さら聞けない!人類補完計画って何?|徹底解説その①〜内面的に見る〜









人類補完計画って何?

|徹底解説その①〜内面的に見る〜






みなさんこんにちは、塩ラーメンです。

今回から2回に分けて人類補完計画を私なりに徹底解説していきます!

今日は

「内面的に見た補完計画」


をやっていきます!


それでは早速いきましょう!







◎ 人類補完計画とは


・人は欠けた存在である

エヴァンゲリオンの登場人物を見てみると、全てのキャラクターが欠けた部分を持っており、あえてそれが浮き彫りになるよう描かれている。

だがこれは言ってしまえば当たり前のことで、私やあなたを含め、全ての人間が必ずどこかに欠けた部分を持っている。


キリスト教的に見ると、神に「食べてはならない」と言われた“善悪の知識の実”をアダムとエバが食べたことにより、人は自分たちで何が善で何が悪かを区別するようになった。

※善悪をより分け、罪を裁くのは神の仕事なので、人が人を裁くのは罪に当たる。



実を食べたことで、男には《労働の苦しみ》女には《産みの苦しみ》が与えられることになった。
私たちは全員アダムとエバの血を引いているので、産まれた時からその罪を有している。これを“原罪”と言うのだ。
※キリスト教の“罪”とは犯罪などの罪とは違い、『神に背を向けている』・『神を認めない』・『神に逆らっている』状態を意味する。

“原罪”というワードは新劇場版でゲンドウも口にしており、エヴァでは人の欠けた部分のことを“原罪”と呼んでいるのだと思われる。


では、一体何が欠けているのだろうか?

ゼーレは、人間が抱える問題のほとんどは

人間関係


にあると考えた。

先程申し上げたようにエヴァのキャラクターは、特に欠けた部分が強調されており、問題を抱えているのだが、彼らの問題のほとんどは人間関係にある。
(これは私たち自身もそうではないかと思う。)

そこでゼーレは、「全ての人間を1つにして新たな一個体の生命体となり、“他人” というものを無くそう」と思ったのだ。
それによって人間の欠けた部分は無くなり、完全な生命体になると。

これを『人類補完計画』と言う。



ちなみにこれを提唱したのは、ユイを失って間もないゲンドウ。
彼にはゼーレと別の狙いがあり、取り込まれたユイと再び会うための計画を裏で進めていた。
ユイの実験が失敗した後、1週間行方をくらましていたのは傷心のためではなく、ユイと再会するための人類補完計画を練っていたのだ。






◎ 碇シンジという人間


エヴァの主人公・碇シンジは、幼い頃に母を亡くし母親というものを知らない。

母親の愛情を知らぬままずっと生きてきたのだ。

さらに悪いことに、父ゲンドウがユイの写真などを処分してしまったので、彼は母親の顔も覚えていない。

本当に“母”という存在を認識しないまま14歳まで育ったのである。

その上ゲンドウはシンジに父として接する自信が無く、父親らしく振る舞ってやることが出来なかった。

それゆえ、シンジは家族というものを全く知らないのだ。
(だから物語後半、家族同然のミサトに対しても接し方が分からなくなり「ミサトさんだって、他人のくせに」などと言ってしまう。)




・本当の家族とは

そもそも父と母は血の繋がりが無い。
ということは、血の繋がりが無くとも一緒に過ごしてきた人こそ家族なのではないかと思う。

つまりシンジにとって本当の家族は、血の繋がったゲンドウではなく、衣食住を共にしたミサトやアスカだったのではないだろうか。

─ しかしながら、シンジが求めたのは母親だった。




◎ 人類補完計画の発動


  旧劇場版で人類補完計画が発動しようとしている時、シンジはユイと会うことになる。そこで「何を願うの?」と聞かれ、幼少期の回想に入る。

公園で児童(人形)たちと遊んでいる幼い頃のシンジ。
夕方になり、みんな母親が迎えに来て、

「あ、ママだ!」

「帰らなきゃ!じゃあねぇー!」

と帰ってしまう。

独りぼっちになったシンジは、泣き出しそうになるのを必死でこらえピラミッドを作る。

しかしシンジは、せっかく作ったピラミッドを踏みつけて壊す。

でもしばらくしてまた作り始める。

すっかり夜になっている。

ピラミッドを踏みつけるシーンは、第拾九話「男の戰い」にてシンジが初号機でNERV本部を踏みつけるシーンと重ねて描かれている。

父も母も家にいなかったシンジは、幼い頃そういうことが実際何度もあったのだろう。



電車でのシーンになり、

「このままじゃ怖いんだ。いつまた僕がいらなくなるのかも知れないんだ。ザワザワするんだ……落ち着かないんだ……声を聞かせてよ!僕の相手をしてよ!僕にかまってよ!!」

とシンジは叫ぶ。


そして場面は変わり、ミサトの家でのシーン。

シンジは、

「何か役に立ちたいんだ。ずっと一緒にいたいんだ」

とアスカに近寄る。

だがアスカに、

「じゃあ、何もしないで。もうそばに来ないで。あんた私を傷つけるだけだもの」

と言われる。

「あ、アスカ助けてよ……。ねぇ、アスカじゃなきゃダメなんだ」

そう言ってシンジはアスカに言い寄る。

「ウソね」

アスカがシンジを睨みつける。

「あんた誰でもいいんでしょ?ミサトもファーストも怖いから、お父さんもお母さんも怖いから!私に逃げてるだけじゃないの!それが1番楽で傷付かないもの。」 


「ホントに他人を好きになったことないのよ!」 

と、アスカは大声を上げてシンジを突き飛ばす。

「自分しかここにいないのよ。その自分も好きだって感じたことないのよ」

と続けるアスカ。

これはよく言われる話だが、自分を好きになれないと他人を好きになることは出来ない。
好きになったとしてもすぐに崩れてしまう。土台に自分へのリスペクトがないからだ。シンジは自分に自信が無く、他人の中にいる自分の姿ばかり気にしていたので自分という存在が揺らいでいた。

「助けてよ……。助けてよ……。僕を、助けてよ!」

 とシンジはテーブルをひっくり返して暴れ始める。

「一人にしないで!僕を見捨てないで!僕を殺さないで!」



本音を叫ぶシンジに対して

「イヤ」

とアスカは答える。

これはアスカが、「自分のアイデンティティの確立は自分でしか出来ないことで、他人の私は助けてあげられない」と伝えたかったから、シンジに対してこう言ったのだと思う。アスカなりにシンジを助けていたのではないだろうか。(※個人の感想)


シンジは逆上して、

“じゃあもう他人なんていなくなればいい”

と思った。

それがアスカの首を絞めるあのシーンというわけだ。

これは、他人がいなくなればいいと拒絶したシンジの心を表したシーンであり、アスカ個人を拒絶したのではないと解釈している。


「誰も判ってくれないんだ……」

「みんな僕をいらないんだ……。だから、みんな死んじゃえ!」

「僕がいても、いなくても、誰も同じなんだ。何も変わらない。だからみんな死んじゃえ」

「むしろ、いないほうがいいんだ。だから、僕も死んじゃえ!」




こうしてシンジがデストルドーで満たされたことにより、全ての人の心の壁、ATフィールドが無くなり全てが1つになっていった。

デストルドーとは“死の欲動”のこと。
デストルドーに満たされたことでシンジは「僕も死んじゃえ」と自殺願望すら持った。

ついに人類補完計画が発動した──。





◎ 人類補完計画の破綻


・シンジの望み



しかしシンジは、いざみんなと1つになり、

「これが、あなたの望んだ世界そのものよ。」


と言われると、
『これは望んだ世界ではない』と感じた。


だからシンジは、再び他人の存在を望むようになったのだ。

レイ「再び他人の恐怖が始まるのよ。」
シンジ「いいんだ…」




・場面が切り替わり、また“他人”が生まれた後の世界


シンジ「あそこでは、イヤな事しかなかった気がする。だから、きっと逃げ出してもよかったんだ。でも、逃げたところにもいいことはなかった。だって……僕がいないもの。誰もいないのと、同じだもの。」


カヲル「再びA.T.フィールドが、君や他人を傷付けてもいいのかい?」

「Absolute Terror Field」 
リビドー(自分を定義し他者を求める欲求・生存欲求・性的欲求)から生まれる、自分と他者との境界線。心の壁。


シンジ「構わない。でも、僕の心の中にいる君達は何?」


これは、1つになることを拒絶してバラバラになったはずなのに、シンジの心にレイやカヲルがいたので、不思議に思ったのだろう。
レイが答える。

「希望なのよ。ヒトは互いに判り合えるかもしれない……ということの。」


「好きだ、という言葉とともにね」

とカヲル。

シンジたちの足元に、沢山の人の体が現れる。
人々が望めば復元出来ると言われている

シンジ「だけど、それは見せかけなんだ。自分勝手な思い込みなんだ。祈りみたいなものなんだ。ずっと続くはずないんだ。いつかは裏切られるんだ。僕を……見捨てるんだ。」


シンジの心境の変化と共に、景色が変化していく。
(山だった土地が都市に変化していくので、シンジが思い描いた世界になっていく様子なのかもしれない。)


しかし、他人を恐れ、拒絶していたシンジが

「でも……僕はもう一度会いたいと思った。その時の気持ちは本当だと思うから。」



と言い、他人の存在を認め自分のアイデンティティを確立するのだ。

こうしてやっと母から独立し、シンジはエヴァに別れを告げる。

母を亡くし、ずっと母を求めていたが、結局はみんなといることを望みこの場面で自立を遂げるのだ。


シンジの望みは他人に愛されることであり、他人の恐怖が無い世界ではなかった。

このように、シンジが他人を望んだことによって人類補完計画は破綻したのである。





◎ アスカとシンジ


アスカは、

「あんたとなんか、絶対に死んでもイヤ。」

「わたしはわたしよ!」

などと発言していることから、ATフィールドが強いことが分かる。

これが、シンジの横に復元されていた理由の1つ。

さらに、

「あんたが、全部私のものにならないなら、私……何もいらない。」

と言っていることから、シンジに対して強い好意を抱いており、1人の個人としてシンジと一緒になりたいと思っていたというのも理由に挙げられるだろう。


しかしシンジは、自分の隣に他人がいるのを見てやっぱり怖いと思ってしまう。
再び他人を拒絶し、アスカの首を絞める。


しかしアスカに優しく頬を撫でられ、首を絞めるのをやめる。

頬を撫でられるのは、直前のユイとの別れのシーンと対比されている。

受け入れられないと思っていた自分が受け入れられたことで、シンジは首を絞める必要が無くなった。

ここにもまた人類補完計画の破綻を見ることができる。




◎ 気持ち悪い


しかしエヴァの面白いところは、その後にある。

アスカの、

「気持ち悪い」


という台詞で幕を閉じるところだ。


この「気持ち悪い」には色々な解釈があるが、ここでは制作側の話だけ載せておこう。

当初のセリフは『あんたなんかに殺されるのは真っ平よ』だったのだが、監督の庵野さんがアスカ役の宮村優子さんに、

「部屋に男が入り込んで、ベッドで寝ている君を犯すのではなく、君を見てマスターベーションしている。どう思うか?」と聞くと、

「気持ち悪い、ですかね」と返答。

これを採用して「気持ち悪い」に変更されたという。

【アスカの側からの解釈】
殺されようと頬を撫でたのに、勝手に自己完結するな。という気持ちもあって、気持ち悪いと言ったのではないだろうか。




『父に、ありがとう』『母に、さようなら』と別れを告げ、自立し、他人を認め、そして傷付けられてもいいと思うようになったシンジ。

第壱話から考えると、とんでもない成長だ。


しかし、そんな成長を遂げたシンジに対して、最後「気持ち悪い」と言い放ち終わる。

ここがエヴァの1番面白いところだと思う。

庵野さん自身「気持ち悪い」と言われたかったそう。




◎ まとめ


さて、どうでしたか?
不明な点などがあれば遠慮なくコメントしてください。

そして、ご意見などもどんどん送ってください!!

続きは、

その②〜物理的に見る〜

です。

今日は長いので〆の挨拶はこれくらいに。


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では今日はこの辺で!


That’s said. Gotta run!

(てな訳で、後はヨロシク)




画像引用:
©khara/Project Eva. 
©カラー/EVA制作委員会

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