マリの正体に関する考察
|使徒?クローン?
こんにちは、塩ラーメンとHERZです。
この記事は、先日動画をアップした『エヴァセミナー』にて扱った考察テーマを、塩ラーメンとHERZが記事にしたものです。
テーマごとに3つに分けて記事にしたので、ぜひ他の2つもご覧下さい!
◎ マリの正体とは
マリの正体について大きなヒントとなっているのはゲンドウの回想シーンです。
ゲンドウの学生時代にマリがいて、「:破」や「:Q」の登場時と同じ見た目をしています。
マリと冬月に面識があることはシンエヴァで描かれ、「冬月先生」と呼んでいることなどからも、ゲンドウの回想シーンに登場する人物はマリで間違いないでしょう。
ということは、
“何十年も見た目が変わらないのは何故か”
という問いが、正体を考察する上で最も重要になるわけです。
そしてその理由を、『使徒であり、ずっと同じ姿で存在し続けている。』と説明したのが使徒説で、『シキナミ型やアヤナミ型と同じくクローンである。』と説明したのがクローン説です。
今回は主にこの2つの説について見ていきます。
◎ 使徒説
まず使徒説から説明していきましょう。
・イスカリオテのマリア
マリがどのような存在かを考える上で重要なのが “イスカリオテのマリア” という名前です。
これは「真希波マリ=使徒」という説の重要な根拠とされています。
“イスカリオテ” というのは「ケリヨトの人」に由来すると考えられており、ケリヨトというのはユダヤ地方の村の名前です。
地名から来ている。
そして “イスカリオテ” から連想されるのは、当然イスカリオテのユダでしょう。
ユダとはご存知の通り、12弟子の一人でイエスを裏切った使徒です。
その後、自殺したユダに代わりマティアが新たに12弟子の一人として加わっており、ユダは12弟子からは外れた使徒なのです。
ユダはよく13番目の使徒と言われますが、それは誤りです。
さて、“マリア” についても説明すると、聖書にはマリアという名前の人物が何人も登場します。
そのうち、よくエヴァの考察で名前が挙がるマリアがこの2人。
左はイエスの母であるマリア。右は、イエスに従っていたマグダラのマリアです。
マグダラのマリアはイエスが十字架に架けられ、埋葬された際の目撃者でもあり、復活の証人でもあります。
またフィクションの世界や、一部の研究では、イエスとマグダラのマリアは結婚していたとされているものもあります。
そんなマグダラのマリアも『亜使徒』や『使徒の中の使徒』と呼ばれ12人には含まれない使徒です。
これらを踏まえると “イスカリオテのマリア” とは、
数えられない使徒であり、使徒を裏切りリリン側に付いた存在。
また神の子イエスと重ねて表現されるシンジと結ばれる存在でもある
という説明ができます。
ただアスカのセリフに「ガキに必要なのは恋人じゃない、母親よ」とあるため、
最初は母親として、大人のシンジには恋人としての役割があるのかもしれません。
そう言った意味で二重にマリアがかかっていると考えられるでしょう。
閑話休題(それはさておき) ─、以上がマリを使徒に準ずる存在であるとするまず1つ目の根拠です。
・リリンという呼び方
また人間のことを「リリン」と呼ぶのも根拠として挙げられます。
劇中で人間を「リリン」と呼んでいるのは、カヲル、アスカ、そしてマリだけです。
カヲルは自身のことを第1使徒と言っているので、使徒と考えて良いでしょう。
またアスカも第9の使徒に侵食されたことで使徒(に近い存在)になっているため、自身が人ではないと認識しています。
この二人のことを踏まえると、人間ではない立場の者が人間を「リリン」と呼ぶようです。
ということは、マリも同様に人ではない存在であると考えることができます。
このような理由からも、マリは “数えられない使徒” なのではないでしょうか。
そう考えると、部屋に積んであった大量の本も、使徒であるマリが知識を求めていることを示唆する表現なのかもしれません。
◎ クローン説
クローン説の中にもいくつか解釈がありますが、今回紹介するのは、
シンエヴァの回想に出てきたこの人物(↑)を、マキナミタイプのオリジナルとして考え、後にクローンとして生まれたのが、本編でエヴァパイロットとして登場するマリと考える説です。
・年齢の整合性
マリの正体を考察する上で重要となるのは、マリの年齢についてです。
まずゲンドウの回想に登場するマリに関してですが、こちらは先ほど仮定したように、マキナミタイプのオリジナルとして考えているので、本編に登場するマリと同じ姿であることには矛盾しません。
次に「:破」→「:Q」で容姿が変化していないことに関してですが、こちらはエヴァの呪縛によるものだと考えており、私はエヴァの呪縛の要因を “クローン人間の設計” だと考えています。
詳細はこちらの記事で書いています。
(こちらではマリをクローンと仮定せずに考察しています)
簡潔にまとめると、エヴァのシンクロには「感情」を司るA10神経が密接に関わっており、このA10神経が最も活発となるのは14歳付近と言われています。
そのため、エヴァの適正が最も高い14歳付近で成長が止まるようにクローン人間を設計すれば、半永久的に使用可能なエヴァパイロットが量産できるという訳です。
そしてこのようなクローン人間の設計のことを、エヴァの呪縛と呼んでいるのではないかと私は考えています。
つまりマリが「:破」→「:Q」で歳をとってないのは、クローン人間の設計によるものだという考え方です。
・苗字の整合性
:破の全記録全集に載っている庵野監督へのインタビューで、エヴァパイロットの名前について触れられている部分があります。
それがこちら↓
「真希波は旧帝国海軍ではなく海自(海上自衛隊)の〝あやなみ型護衛艦〟からきています。式波もそうですね。本編で語るかどうかは分かりませんが、『新劇場版』ではEVAパイロットの設定を旧作とは変えています。なので、アスカも惣流から式波に変えています」
つまり彼女らの名前は、海上自衛隊のあやなみ型護衛艦1番艦のあやなみと、4番艦のしきなみ、そして7番艦のまきなみが由来になっているということですね。
そしてこの3人が設定上の整合性を持っているということは、やはりアヤナミとシキナミに並んで、マキナミも同じくクローン人間であることを示唆しているのではないでしょうか。
・記憶の継続性
マリをクローン人間とすると、問題となるのが記憶の継続性です。
冬月とマリが面識を持って話していたことから、マリがゲンドウ達と同じ学生時代の記憶を持っていることは確かだと思います。
となるとクローン人間がオリジナルの記憶を持つこととなり、一見矛盾しているように感じます。
しかし、そもそもクローン人間であることが確定しているアヤナミとシキナミだけを比較しても、
・非効率な感情が明らかにアスカの方が強い
・選抜が行われるのはおそらくシキナミのみ
・アヤナミはシンジに好意を抱くように調整(シキナミは不明)
・アヤナミはL.C.Lの調整が必要
など、クローンの中でも特性がバラバラなことが分かります。
また、一応TV版の設定になりますが、レイは定期的に身体のメンテナンスと記憶のバックアップを取っているようなので、このように
“マキナミタイプはオリジナルの記憶を引き継ぐ” という設計がされていても何らおかしくないと思います。
・舞台挨拶も根拠になる…?
舞台挨拶での坂本真綾さんの発言も一つ根拠になるかもしれません。
庵野さんから聴いたマリの正体についてのヒントについて
「(言っても)責任取れない。」
「(庵野さんに)怖いものを手渡されている。」
「墓場まで持っていく。」
と仰っています。
よほど重大な秘密のようなので、これも考察の助けになるかもしれませんね。
「マリはシキナミやアヤナミのようにクローン人間だ。」と言われるのと、「マリは使徒のような存在で、姿が変わらずに生き続けている。」と言われるのはどちらが驚きそうかと考えると…
(塩ラーメン)個人的には、人ではないと言われた方が驚くだろうと思います。
ただこれは完全に推測でしかないので根拠としては不安定ですが、一応挙げました。
・夏色のエデンと新劇場版の繋がり
意外と多くの方が、漫画版エヴァの最終巻に短編として収録されている『夏色のエデン』のマリと、新劇場版のマリが同一人物であると考えているようです。
しかしそのような言及は一切無いため、現時点では繋がっていると考えるのは控えた方が良いかと思います。
漫画版からマリの正体を考察することは、少し難しそうです。
◎ まとめ
(塩ラーメンの意見)
私は個人的に「使徒説」の根拠が強いと思っています。
ただ最近は、クローン説もなかなかアリだと思っています。
(HERZの意見)
クローン説では、ゲンドウの回想シーンに登場するマリをオリジナル、本編のパイロットのマリをクローン人間と考えました。
そして、年齢や苗字の整合性などから、アヤナミやシキナミに並んでマキナミもクローン人間だと推測することができます。
ただし、これらは単に整合性が取れるというだけなので、マリがクローンであるという明確な根拠がなく、説得力に欠けているとも思っています。
◎ おわりに
さて、今回は『エヴァセミナー』で扱ったテーマのひとつ、マリの正体について記事を書いていきました。
いかがでしたでしょうか!
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画像引用:
©khara/Project Eva.
©カラー/EVA制作委員会
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