人類補完計画って何?
|徹底解説その②〜物理的に見る〜
こんにちは、塩ラーメンです。
前回の、
その①〜内面的に見る〜
では、旧劇で起こった人類補完計画を内面的に見ていきましたので、是非そちらも読んでみてください!
今回はその②、人類補完計画を物理的に見ていきたいと思います!
※何度も言いますが、旧劇での人類補完計画です
◎ 設定の整理
─ エヴァとは何か
「汎用人型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオン」という名前の、“人造人間”という言葉からも分かるように、エヴァとは人です。
第弐拾参話「涙」より
シンジ:ヒト…人間なんですか!?
リツコ:そう、人間なのよ。本来魂のないエヴァには、人の魂が宿らせてあるもの。
・エヴァの体
そしてエヴァの体はアダムやリリスのコピーだという設定があります。
・エヴァシリーズの体は、アダムの複製体(コピー)
・初号機の体だけはリリスのコピー
・エヴァのコア
さらにエヴァにはコアと呼ばれるパーツがあり、そこにはパイロットの母親の魂が取り込まれています。
零号機・・・誰もいない (※公式発表)
初号機・・・碇ユイ
弐号機・・・惣流・キョウコ・ツェッペリン
参号機・・・トウジの母親 (名前不明)
四号機・・・不明
五〜十三号機(量産機)・・・不明
─ 生命の実と知恵の実
・生命の実
アダムやその他の使徒が持つ実。S²機関とも呼ばれる。これを持つものには、基本的に「死」という概念が無い。単体で完結する(子孫を残さない)ほぼ完璧な生物だと言えます。
・知恵の実
リリスやリリン(人類)が持つ実。人類はこれによって言語を使いコミュニケーションを図ったり、文明を発達させることが出来たと考えられていますを
※そのコミュニケーションによって人間は問題を抱えることになりますが、詳しくはその①の記事を。
使徒が単独で行動するのは知恵の実を持つ人類と違い、互いにコミュニケーションを取ることをしないからだと考えられます。
ちなみにアダムは使徒を、リリスは人類を生み出した存在。
─ 特殊な人間
☆渚カヲル・・・アダムの魂、ゼーレが作った人間の体
☆綾波レイ・・・リリスの魂、碇ユイの体
☆碇ゲンドウ・・・右手にアダムの幼体を移植
◎ 人類補完計画
・ゼーレのシナリオ
当初の計画は、アダムとリリスの融合によってインパクトを起こすことでした。
しかし、ゲンドウの自分勝手な行動が多くなってきたので、予定を少し早く繰り上げるためカヲルをNERVに送り込みます。
SEELEは、アダムの体(エヴァ?)と魂(カヲル)、そしてドグマにあるリリスの体と魂(レイ)を融合させようとしていました。
その手始めとしてカヲルに、リリスと融合してもらいたかったのでしょう。
そして、後日エヴァシリーズも使い、補完計画を発動しようとしていたのだと思います。
・渚カヲルの選択
しかしカヲルがゼーレの計画の邪魔をします。
おそらくSEELEは、
「NERVに行ったらアダムの体があるから、そろそろアダムの元に戻って来たら?」
みたいなことを言ってカヲルを遣わしたのだと思います。
しかし、カヲルは途中でアダムと言われているものがリリスであることに気付きます。
(これについては「仮面について」 で説明しました)
そしてそれに気付いたことでカヲルは融合をやめました。
(リリスの体とカヲルが融合していたら、補完の大きく進むことになったはずです。)
何故カヲルは融合をやめて自分の意思で死を選んだのでしょうか?
アダムは、人類にとって自分達を滅ぼしかけた憎むべき存在です。
しかし、それを利用しエヴァを作ってまで生き延びよう、進化しようとしている人間たちをカヲルは理解出来ませんでした。
しかし、ドグマにあったのがアダムではなくリリスだと気付き、初号機はその複製だと分かったのです。
人間(ゲンドウ)は、アダムベースのエヴァではなくリリスベースの初号機で補完を行おうとしている、と。
それに気付いたことで、カヲルは人類に希望を持ったのだとではないでしょうか。
カヲルはこんな言葉も残しています。
「生と死は等価値なんだよ、僕にとってはね。」
カヲルや使徒、単独で完結する完璧な生命体にとって死ぬという概念は基本的に無く、生きることは永遠です。
死ぬとどうなるでしょうか?
もちろん、生き返ることはありませんから死とは永遠です。
つまり、カヲルにとって生きることは永遠であり、死ぬこともまた永遠である。
生と死が同じ意味を持つのです。
生まれた時からずっと独り。
そしてこれからも永遠に孤独に生きるカヲルにとって、生きることは孤独であり、そして死ぬことも同じく孤独だったのです。
シンジが、
「カヲル君が何を言ってるのか分からないよ!」
と言ったのは無理もなく、生きることが永遠ではない人間にカヲルの言葉は理解出来ません。
リリスのコピーである初号機で補完を進めようとしている人類に希望を持ったカヲルは、自分が生きて人類が滅ぶより、シンジ達に生きて欲しいと思った。
そして、最期はシンジに殺されることを願ったのです。
・シナリオを書き換えたゼーレ
カヲルが計画を逸脱したことで、SEELEは計画を変更し、初号機での補完を進めることにしました。
「アダムや使徒の力は借りぬ。」
「我々の手で未来を変えるしかない。初号機による遂行を願うぞ。」
「約束の時が来た。ロンギヌスの槍を失った今、リリスによる補完は出来ん。唯一、リリスの分身たるエヴァ初号機による遂行を願うぞ。」
などの発言からこのことは読み取れますね。
リリスによる補完を目指していた時も、初号機による補完に変更した後も、ゼーレは“原罪”からの解放を目的としていました。
・ゲンドウのシナリオ
ゲンドウは、リリスの体と魂(レイ)とアダムの体(右手)と魂(カヲル)を使って自分が神になり、ユイを取り戻そうとしていました。
恐らくカヲルはシンジに殺された後、魂はドグマに残っていたのだと思います。
ゲンドウの補完の世界にカヲルが登場するのは、そこにカヲルの魂もいたからではないでしょうか。その結果、補完計画が発動した時も巨大なリリスの中にカヲルもいた(?)
ゲンドウの計画は、ゼーレとそれほど変わりません。
ゲンドウはユイに会うため。ゼーレは宗教的理由から補完を行おうとしていました。
そこが2つの人類補完計画の違いです。
ゼーレに計画を提唱し、裏で少し自分用に書き換えた計画を進める。
1週間でこれを練ったゲンドウは本当に恐ろしい男です。
◎ 補完計画が発動するまで
カヲルによって妨げられた計画。
リリスではなく初号機による補完を強行するため、ゼーレは戦略自衛隊をNERV本部に直接送り込みます。
そして最後の戦いが始まりました。
ゼーレはシンジを含め、パイロットを全て殺そうとしていました。計画の邪魔になるからです。
恐らく初号機だけ回収し、後日別のパイロット、あるいはパイロット無しで計画を発動させるつもりだったのでしょう。
しかしその後ゼーレは、カヲルを殺したことで精神の限界を迎えたシンジが計画に使えると考えました。
初号機に乗ったシンジがデストルドーで満たされればアンチATフィールドを生み出すことが出来ます。
そのために、ゼーレは最後の追い込みとして量産機を9体全機投入し、シンジに弐号機が食われているところを見せつけたのです。
こうして、
前回のその①
で説明したように、シンジがデストルドーで満たされ、補完が発動しました。
・補完に必要なエヴァの数
しかしゼーレは、
「いささか数が足りぬが」
と言いながら計画を発動します。
これはどういう意味なのか少し解説しましょう。
当初ゼーレは12体のエヴァと、リリス・ロンギヌスの槍を使おうとしていました。
それは第弐拾弐話のミサトの台詞。
「エヴァ十三号機までの建造を開始?世界7箇所で?」
から、読み取ることが出来ます。
この時、参号機は使徒として殲滅、四号機はS²機関の実験中に消滅しています。
エヴァは零号機から十三号機まで全14体。
そのうち2体が大破しているので12体のエヴァが必要だということですね。
続いて第弐拾参話、ゼーレの台詞。
「エヴァシリーズ、すでに8体まで用意されつつある」
「残るはあと、4体か」
この時零号機は大破しているので謎は残りますが…
現在エヴァは8体で、残り4体必要と言っているので、いずれにしてもゼーレは合計12体のエヴァを必要としています。
先程からも言っているように、ゼーレはリリスとロンギヌスの槍による補完を望んでいたので、リリスとエヴァ12体でキリストと12使徒を再現したかったのだと思います。
・零号機と弐号機の役割
エヴァ12体での場合、零号機と弐号機はリリスの横に同じく磔(はりつけ)にされる予定だったと考えられます。
(零号機が大破した時ゼーレは怒りを示していたので、零号機や弐号機も本当は必要だったことが分かる)
これは、イエスが十字架にかけられた時、同じく左右に罪人が磔にされていたのを再現する意図があったのだと思います。
聖書にはこんなことが書かれています。
(※私の言葉で説明しています)
十字架に付けられている片方の罪人が「お前がキリストなら自分を救ってみろ!」とイエスに言うと、もう片方の罪人が「神を試してはならない」と言った。
するとイエスは後者の罪人に「あなたは今日私と共に天国(パラダイス)にいます」と言いました。
神を罵った罪人は地獄に行き、神を試してはならないと言った罪人は天国へ行きました。
(これは、どんな罪人でも、たとえ死ぬ間際だとしてもイエスを信じた者は救われるという教えです)
エヴァのOPにて、レイのシルエットが上に昇り、アスカのシルエットが下に落ちる描写から、キリストの役であるリリスの左右に同じく磔にされるのは零号機と弐号機だと推測されます。
・初号機の役割
そして12体での補完の場合、初号機はリリスにロンギヌスの槍を刺す役割、もしくは生命の樹の隠された11番目に位置する予定だったのではないでしょうか。
(↓隠された11番目は1番下)
しかし結局それらのことは実現せず、実際はエヴァ10体での補完になりました。
生命の樹の要素は10個なので最低限の数ですね。
そしてリリスではなく初号機を神として補完が発動しました。
・動き出すゲンドウの計画
時同じくして、ゲンドウは右手(アダムの体)とレイ(リリスの魂)を融合し、リリスの体とも融合しようとしていました。
しかしレイに、
「私は人形じゃない」
と、融合を拒否されます。
この時恐らくゲンドウの右手はレイに吸収されました。
そして辺りを漂っていたカヲルの魂も取り込み、アダム+リリスの完全な生命体が誕生したのだと考えられます。
その後さらに初号機も取り込み、新たな生命体となったのです。
そしてシンジのデストルドーによって、アンチATフィールドが発生。
人類のATフィールドが消滅し全てが1つになります。
全てはゼーレの計画通りかと思われましたが、前回説明したように、最後はシンジの意志によって補完計画は破綻します。
◎ まとめ
以上が、人類補完計画の物理的な話です。
いかがだったでしょうか。
情報量が多かったと思うので、ゆっくり見返して頂ければと思います。
次回は解説その③というより、考察シリーズになります。
『旧劇と新劇では人類補完計画は全く違う|解説その③&考察』
という話をしますので、ぜひお読み下さい!
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