【ループ説否定】
旧劇と新劇の繋がりとは
│カヲルとアスカが鍵?
こんにちは、塩ラーメンです。
多くの人が、アニメ・旧劇と新劇場版が繋がっていると考えているでしょう。
エヴァファンのみならず、エヴァをよく知らない人にまで浸透している“ループ説”ですが、
“何回も繰り返してる”
という証拠は今のところありません。
旧劇と新劇場版が繋がっている説ならまだしも、何度もループしているというのは無理があります。
ちなみに『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』のタイトルにはリピート記号が使われていますが、リピート記号の意味は以下の通りです。
【リピート記号】
リピート記号で囲まれた部分を2度演奏したあとはそのまま楽譜の続きを演奏、もしくは曲を終了する。
(※直前にリピート記号がない場合は曲の最初に戻る。)
とても簡潔に言うと、『1度繰り返し、2度目はそのまま次に進む』ということ。
つまり楽譜のリピート記号には、何度もループするというような意味はそもそも含まれていないのです。
リピート記号の詳しい考察はこちら
このような理由からループ説の可能性は低いと考えられるのですが、ここからは
旧・新が繋がっているかもしれない
ということを考えていきたいと思います。
◎ 旧・新の繋がりの根拠
1.赤い海
旧・新の繋がりとしてよく挙げられるのは赤い海です。
↓旧劇ラストの海
↓「:序」冒頭の海
パッと見だと繋がっている証拠に見えますね。
私も旧劇を観た後すぐに「:序」を観た時は、鳥肌が立って 「うわ〜これ繋がってるのか!!」 と思いました。
しかし、
これは旧劇と新劇場版が繋がっている証拠にはなりません。
理由を見ていきましょう。
「:破」より加持とシンジの会話
「僕が産まれる前は、この海が青かったなんて想像出来ません」
「こうして人が生きていける環境だけでも、よくも復元出来たものさ」
これはセカンドインパクトの話をしている時の会話です。
セカンドインパクトによって海のあらゆる生物が死滅し、海が赤くなったということですね。
アニメでも南極の一部の海が赤くなっていました。それをふまえると、新劇場版の方がセカンドインパクトの規模が大きかったと推測できます。
つまり、
新劇場版の赤い海と旧劇のサードインパクトは無関係だということです。
こういうわけで、旧・新の繋がりを示す根拠『赤い海』は、
“新劇場版のセカンドインパクトが原因で海が赤くなった”
という事実から否定されます。
2.月面の血痕
続いて挙げられるのは月面「静かの海」の血痕ですが、まずはどんなものかご覧下さい。
これを見て、「旧劇のラストの血しぶきだ!」と思う方は多いかもしれません。
ではそのシーンもチェックしてみましょう。
確かにこれは旧劇と新劇の接点になりそう
…と思うかもしれませんが、
「:破」よりセカンドインパクトの回想シーンの画コンテをご覧下さい。
画コンテを見るとセカンドインパクトによって月に血痕が付いたことが分かりますね。
この設定が変わっていなければ、
新劇場版の月と旧劇のサードインパクトには何の関係も無い
ということになります。
旧・新の繋がりを示す証拠『月面の血痕』は、
“新劇場版のセカンドインパクトによって月面に血痕が付いた”
ということから否定されます。
3. 棺のカヲル
上で月面の血痕について書きましたが、その月面にあった棺も旧劇との繋がりを示唆するものだと言われています。
↓棺の中から出てくるカヲル
しかし、脚本段階では棺がたくさんあると書かれており、9つだけではないようです。
ということは9という数にはそこまで意味がないのかもしれません。
一部のファン達の間でこの9つの棺は、
『量産機の数と同じだから』
という理由で旧劇のエヴァ量産機の中にいたカヲルだと言われているのですが、
※元々ダミープラグは魂のないレイが中にいる。量産機を動かすためゼーレがその技術を流用したのがこのカヲルタイプのダミープラグ。
この説は棺が9つだけではないかもしれないことを踏まえると、可能性が低いと考えられますね。
もし、量産機のダミープラグからカヲルの身体を取り出したのだとしても疑問が残ります。
旧劇を見た方は分かると思いますが、エヴァ量産機は4体が地球に落ちてきており、残り5体の量産機は宇宙を漂っていました。
(旧・新の地球や月が同じものだという仮説の上での話ですが、)
地球に落ちた4つ以外、宇宙を漂う量産機5体が全て月面に落ちたとしても、新劇場版で登場する棺は5つということになるはずです。
↓宇宙に広がっていくエヴァ量産機
↓地球に落ちていく量産機
前述したことを総合すると、
棺の中のカヲルは新劇場版においてゼーレが作り出した人造人間であり、旧劇のダミーシステムとは無関係だと考えられます。
しかし、私のリサーチ不足かもしれないので、ダミープラグと棺のカヲルとの繋がりを示す証拠を見つけた方は是非教えてください!
◎ 繋がりは無いのか?
さて、『赤い海』も『月面の血痕』も『棺のカヲル』も、テレビ版・旧劇と新劇場版の繋がりを示す証拠にはなり得ないだろうということが分かりました。
では、テレビ版・旧劇と新劇場版の繋がりを示すものは何も無いのでしょうか?
いえ、実は無いこともないのです。
ただ、完全な証拠ではないので微妙なところなのですが、とりあえず今回は2つ紹介します。
◎ カヲルの台詞
カヲルは「また三番目とはね。」や、「今度こそ君だけは、幸せにしてみせるよ。」 などの台詞で、作品を複雑にする要素となっています。
ここで当然、このような仮説が生まれます。
カヲルの魂(もしくは記憶)は、テレビ版の世界から新劇場版の世界にやってきたのではないか。
この仮説に基づくとカヲルの台詞に説明がつきますが、宇宙(世界)の構造とカヲルの魂の移動の仕方に色々なパターンが考えられます。
(※ややこしいので飛ばしてもらって構わないです)
Ⅰ. 旧・新の宇宙は繋がっている
『テレビ版・旧劇の地球や月と、新劇場版の地球や月が1つの宇宙に同時に存在している。』
という説。
旧劇と:Qが繋がっている説や、世界AB説に近いですね。
世界AB説は冷静に考えると可能性が低いのでアルマロスさんの記事をご覧下さい。
世界AB説について。[検証・否定]
宇宙が繋がっているということについては、十分な証拠はありませんが、同時に否定材料もありません。
脚本協力の榎戸洋司さんが 「つながってる宇宙」 という発言をしているので、もしかするとアリかもしれませんね。
Ⅱ. 旧・新は別の宇宙(世界)である
『テレビ版・旧劇と新劇場版は全く別の世界であるが、カヲルの魂はテレビ版・旧劇から新劇場版の方にやって来た。』
という説。
世界は繋がっていないが、カヲルの魂だけが新劇場版の世界に来て、記憶も引き継いだということです。
この記事ではずっと繋がりの証拠を見てきましたが、地球が繋がっている証拠は今のところありませんでした。
となれば、『テレビ版・旧劇と新劇場版は全く別の世界であり、カヲルの魂が世界を越えて来た』とするのが1番納得出来るのではないでしょうか。
Ⅲ. 新劇場版の世界がループしている
『旧劇の世界と新劇の世界は無関係であり、新劇場版の世界だけでループしている。』
という説。
この説はカヲルの棺がたくさんあることを根拠にしています。
詳しくはeyes onlyさんの動画にて触れられているのでそちらをご確認ください。
アダムとアダムスとセカンドインパクト後編
Ⅳ. 旧・新は同じ地球である
『旧劇のあと地球は修復され、また最初から始まった。』
という説。
この説にはさらに枝分かれがあり、
『シンジが願ったことで修復された。』
というのは両方とも同じですが、
・『最初からやり直された』説
・『ある途中地点からやり直された』説
に別れます。
最初からやり直されたというのは、地球の何十億年の歴史をもう一度始めから繰り返すということ。
途中地点からやり直されたというのは、具体的に説明すると、
それ以前の記憶があり29年間生きてきたように感じるが、実は「29歳の状態のミサト」として復元されたのでその地球の歴史としては1年目。
という感じです。
しかしこの説は十分な証拠が無く、否定材料もありません。
カヲルについて考えるとこのように複雑になってくる上に、証拠があまり無いのでやめた方が良いかもしれません。
◎ アスカ・ラングレー
「until You come to me. 」にて、アスカはこんな描写をされています。
「until You come to me. 」 で使われている音楽はスコットランド民謡の 「ロンドンデリーの歌(Londonderry Air)」、もしくは 「ダニー・ボーイ(Danny Boy)」 と呼ばれる曲です。
サントラとして編曲され『Londonderry orchestra+piano』という曲名になっていますが、この曲の説明にこうあります。
じつは、この曲は『Q』で使われるはずだった。ゆえに録音は『Q』に遡ること1年半の、2011年7月25日。
すなわち「アニメーター見本市」における『until You come to me.』とは『Q』内に連なるべき内容だった・・・・・・とまでは明かしても良かろう。
(Shiro SAGISU outtakes from Evangelion ライナーノーツより)
鷺巣詩郎さん(25年間エヴァの音楽を担当されている方)によると、「until You come to me. 」 は「:Q」 のその後を描いたものらしいです。
つまり、完全に新劇場版の世界の話であると。
そこに惣流・アスカ・ラングレーが描かれているのは不思議ですね。
これはテレビ版と新劇場版が繋がっている証拠になるのかもしれません。
そして、シンエヴァでそういったことが明かされると期待し、変に考察するのではなくシンエヴァを待ちたいと思います。
◎ 新劇場版→テレビ版?
これはかなり低い可能性になるのですが、もう1つ全く別の可能性をご紹介します。
テレビ版 「新世紀エヴァンゲリオン」 と、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」 シリーズの表記の違いから考えると、テレビ版の方が新しい表記で新劇場版の方が古い表記になっています。
そこから新劇場版の世界の方が年代的に古く、その後テレビ版に繋がると考えることが出来ますが…
それだと新劇場版でのカヲルの台詞に説明がつかないので、この説の可能性は低いと考えられます。
◎ おわりに
さて、今回はループ説に難色を示し、旧劇と新劇の繋がりを見ていきましたが、内容がアルマロスさんの記事とあまりに似ているのでお蔵入りにするか迷っています。
ぜひアルマロスさんの記事をお読み下さい!
ループ説について。
(アルマロスの部屋)
追記)
この記事があどみらすくさんの動画になりました!!
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では今日はこの辺で!
That’s said. Gotta run!
(てな訳で、後はヨロシク)
画像引用:
©khara/Project Eva.
©カラー/EVA制作委員会
4コメント
2021.03.04 15:27
2021.03.04 13:54
2021.03.03 05:22